性をよろこび、性を発信するひと。 愛サイエンティスト・アモ

男性とは優しいもの?

実際、風俗の仕事をしてみて意外だったのは男性が優しかったこと。こちらを気遣ってくれたり、客だからと偉そうな態度を取る人も、女性をバカにするような人も全然いなくて。生理的に嫌だなと思った方は4年のうち二人くらい。
今まで、自分の恋愛では、関係が深まると態度が変わってしまう男性の姿を見ていたので、初めて男性って優しいんだなって思えました。

ただ、それは女の子の気持ち次第な部分もあるかもしれません。女性の接客態度によって集まってくるお客さんのタイプが違うのかも、と感じます。

実際女の子によっては、お客さんからいい態度を取られなくて嫌な思いをする子もいるから。普段から愚痴が多い女の子には、嫌なことをいうお客さんが多そうだなって見ていて思うこともありました。
女性が自分自身をどう思っているか、自分自身をどう扱うかが、お客さんの態度に反映しているというか。そういうのがダイレクトに現れる業界なのかなって思いましたね。

自分の年齢は気にならなかった?

年齢は気にならない、といえば嘘になりますね(笑)。実際、40歳を過ぎてこんな仕事をやっていけるとは思わなかったし。でも、私はそんなに気にしすぎることもなかったんです。お客さんに自分の年齢を言う必要もなかったので。
でも、「若い子には負けないわ!」と年齢を意識するような女性にとっては辛い仕事ですし、そういう女性は年齢が上がってくると売り上げが下がる傾向にあるように思いました。

若いうちは「若い」と言うだけである程度続けられるかもしれませんが、年が上がるにつれ、自分に軸がないと続けられる仕事ではありません。そういった点では女性だからといって誰でも食べていけるものはないんだな、と知りました。

人にどう思われるを考えていたら絶対にできないですよね。私自身も、自分がどう思うか、どうしたいか、を自分に問うてこなかったら続かなかったと思います。

こういう業界でも、相手次第な態度でいるとお客さんってなかなかついてくれないんですよ。完全歩合制なので、お客さんがいなければ出勤してもお給料は支払われません。リピーターがつかないとお金にならない仕事なんです。

ナンバーワンのあの子と私の違い

今はコンスタントに指名してくれるお客さんがいるからやっていくことができるんですが、始めて3ヶ月くらいの時に食べていけないくらい売り上げが落ち込んだことがありました。

始めたばかりのころは、お店側で新規のお客さんをつけてくれたり、「新しい子」ということで指名されたりしていたのですが、リピートしてくれるお客さんがすごく少なくて。3ヶ月経った頃にお客さんがほとんどいなくなってしまったんです。

もし、風俗の体験ができたことだけに満足できていればそこで辞めても良かったんですが、売り上げが下がって辞めるのも悔しいし、どこかに面白みを感じていたんでしょうね、ソープ嬢に本腰をいれてみたいと思いました。

それで、自分が暇になった時、お店のナンバーワンの女の子と何が違うだろうと考えました。年齢や経験が違うのは重々承知だけれど、ナンバーワンの女の子はスタイルがいいかといえばそうでなく、いつも何か食べていてウエストのくびれもない。
どちらかといえば太っていて「綺麗な女性」とはいえないようなタイプ。でも彼女はとても勉強家で、看護士的な目線で前立腺マッサージを学んでいたり、とても性格のいい女の子でした。熱狂的なファンがいて、いつも指名でいっぱいでした。

見た目の美しさではない所に男性が惹かれているのだから、私にも何かやりようがあるのではないかな、と思い、そこから私も自分なりに勉強を始めました。

自分で出張ホストを頼んで客の立場になってみたり、講習を受けられるお店に短期間在籍してみたり。泡の作り方とか、体の洗い方とか、「ただ洗えばいいってもんじゃないの」と教えてもらったり笑。そんな風に自分なりに努力をしてリピートしてくれるお客さんが徐々に増えていったんです。