日本ミニチュアフード協会を作ったひと。ミニチュアへの愛が止まらない。野津礼奈

野津礼奈

アーティスト、というよりプロデューサー?

日本ミニチュアフード協会代表

私、ミニチュアを作ることも楽しかったんですが、講座を開いてみたら、自分で作らなくても、生徒さんたちが作るミニチュアをみているだけで幸せだな~って感じたんです。

それに気付いてからは自分が作ることにはこだわっていないんですよ。どうやらミニチュアの世界に触れられていればそれでいいみたい笑。

今の私の主な仕事は、カリキュラム修了後の会員さんの活躍の場を広げること。もともと私自身が資格マニアだったので、勉強して終わり、っていうのがつまらないと感じていたし、仲間がいたり、目標があることでやる気が出る気持ちってすごくわかるんです。
会員さん一人一人がアーティストととして、どんなことができるかな、何が向いてるかな、と一緒に考えたり、企画できることがとても嬉しいし、楽しい時間でもあるんです。

今は主に、百貨店のポップアップストアで販売できたり、講師になれたり、コラボ企画に参加したりできます。他にも、新しい分野に活動の場を広げていくことも計画中です♡

日本ミニチュアフード協会

大変な時期はありましたか?

もちろん!
協会を立ち上げてからの3年は大変でした。最初の半年間はひたすらカリキュラムを作っていましたし、カルチャーセンターに売り込んでもすぐには反応がなくて。収入もないのでバイトをしながら生活していました。
少し時間をおいて、カルチャセンターからオファーをもらい、レッスンが始まったのですが、一人で全てのクラスを担当していたので、忙しい時は毎月大阪や北海道に行き、体力的に辛かったですね。

日本ミニチュアフード協会

講師業を会員さんに任せ始めもしましたが、最初は自分もわからないことが多かったし、失敗も多く、とにかく大変な3年でした。
そんなもので起業してもうまくいく訳ないって言われたこともたくさんありましたしね。
再就職しようかなと思う時もありましたが、毎日をミニチュアで埋められることが自分にとって幸せなことなんだろうなとも感じていたので、乗り越えて来られたのだと思います。

日本ミニチュアフード協会作品

ただ、今振り返るとその3年ってすごく貴重な時間で。いろんなことにチャレンジし、失敗したことで今の活動スタイルの基盤ができたんだと思います。
失敗していろんな気持ちを味わうことで、自分にとっての心地よい環境がどんなものかが分かり、それに向けてコツコツと変えていきました。
私は何かあっても自分や人を責めることはしないので、だったら次こうしよう、と心に無理をさせずに淡々とやってこれました。

自分の気持ちを大切にしているんですね。

ミニチュアを始める以前は会社員の他にもヘアメイクを目指したこともありますが、その頃は自分に迷うことも多かったですね。私、昔から、しっかりした人に見られないことがあって、、、。そう思われないように尖った態度をとっていたこともあります。

でも、最初は恥ずかしかったミニチュアフード好きをオープンにしてからは自分を無理させることがなくなりました。自分の「やりたい気持ち」を最優先し、お金や人のことは自然の流れに任せました。無理に追わなくても、きっと後からついてくるって。

とにかく大好きなミニチュアの仕事を、自分と同じようにミニチュア好きの人と一緒にできることが嬉しくて。隠していた時にはわからなかったんです、自分がこんなにもミニチュア好きだったって笑。

野津礼奈

今は「今」しか生きてないな、と思います。人と比べることもないし、誰に何か言われてもどうとも思わなくなりました。やりたいことを自分の自由ででき、それが社会的にも少なからず認めてもらえたんじゃないか、という体感がそうさせてくれたのかもしれません。

今、私の仕事は会員さんがいないと成り立たなくなっています。まだ何者かもわからない時から私の講座を受けて、ついてきてくれた会員さん達に感謝が溢れます。こんな気持ち、会社員時代には持つことはなかったんです。ミニチュアフードを始めたことですごく人間的に生きているなって感じがします