私にとって居心地の良い空間作り。ポタジェ式農園「さなえヒルズ」主宰 中村可奈

自分の作った野菜が売れる喜び

1日はどんな風に過ごしていますか?

夏の今の時期だと、だいたい7時半くらいに畑に来て、9時くらいまで収穫します。それをパッケージしてJAに持っていくんです。その後、畑で作業して、お昼もここで食べます。

午後はまた色々作業するんですが、JAから売り上げ報告メールが届くので、それを見て、売れ行きが良かったら午後も収穫して持っていったり。日によりますが、自分のペースで動くことができるのでストレスもなく、すごく快適です。

価格はどのように決められるのですか?

私はJAを通して販売をしているんですが、農作物の価格は基本的には農家さんが自分たちで決めていますね。好きな金額を設定できるんですが、ただ高くしても売れないので、相場や作物の出来具合によって程よい金額をつけるんです。いくらにしようか迷う時もありますが、JAさんがアドバイスをくれたり、農業新聞に相場の金額が乗っているので、それを参考にしたり。

私はまだ経験も浅いですし、他の農家さんに比べれば出荷量も少ないですが、無農薬栽培をしていますし、商品の見せ方を工夫するなど、自分なりにアレンジしているので、価値を感じてもらえるといいなと思っています。今後はネットでも野菜を販売していこうと準備中です。

農業をしていてどんな時が楽しいですか?

春から夏にかけての季節ですね。作物が一気に大きく成長する季節は農園全体が緑色に賑やかになるその時期は、いつでも気持ちよく過ごせます。夏の夕立も大好き。
夏野菜が美味しそうに育つと嬉しくて、毎日インスタにアップしています。

あとはタネから芽が生えた時が感動ですね!苗から育てることに慣れてきたので、最近はタネから育てるのに挑戦しているんです。タネを蒔いても上手く芽が出ないことって結構多くて。タネから育てるって少し難しい。芽が出て、ちゃんと大きくなって、収穫まで出来たときには本当に嬉しくて最高な気持ちになります。

育ちきった作物からタネができ、それが来年また実っていく。そういう循環を見ていると、自然がいかに豊かなのかをひしひしと感じます。最近は友人や、ここを訪れた方から「贅沢な暮らしだね」と羨ましがれることが増えたんですよ。

人が集う場所へ

今後やりたいと思っていることはありますか?

夏の盛りはとても賑やかで楽しい場所なんですが、冬は栽培できる作物も減りますし、果樹の葉も落ちて少し空間が寂しいんです。寒い季節も楽しく可愛く過ごしたいなと思っていて、何を植えようか考えています。

あとは、作物の収穫だけでなくて、私以外の方もこの「さなえヒルズ」で過ごせるような空間になったらいいなとも思っているんです。

都内だと、子供が土に触れる体験ってなかなかできないですよね。よく友人が子どもを連れてここに遊びに来るんですが、その度に、子どもたちは泥だらけになって遊んですごく楽しそう。そういう笑顔を見れるのが嬉しいですよね。

そんな風に子どもたちが土や虫や植物に触れられる場所になったらいいなとも思いますし、大人の方が自然の中で遊べる小さなイベントや、近所の方と触れ合える小さな直売所をやるのも面白いんじゃないかなとも思っています。

もし、農地レイアウトや、ポタジェを作って欲しいという依頼があったら受けてみたいですか?

面白そう。是非やってみたいなと思います。土地があると、アイデア次第で色んな事ができるんだなとわかり、面白さを感じています。
使われなくなった農地が日本にはたくさんあると思いますし、農地と農業をしたい人がもっともっと繋がれるといいなと思っています。

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中村可奈

プロフィール
中村可奈
1976年8月25日
東京都武蔵野市生まれ
女子美術大学附属高等学校卒
女子美術短期大学造形科卒
文化服装学院服飾研究科卒
アパレルに就職
パタンナー、デザイナーを経験
2007年〜2009年語学留学のため渡仏
帰国後、
オリジナルジュエリーのデザイン、販売
高島屋コーディネーター業務委託契約
2018年8月就農