「エステの仕事が大好きなんです。」と屈託なく笑うのは、表参道にあるエステサロン「モアボーテ」のオーナー兼エステティシャンの篠原まゆか さん。お客様に対する愛情もさることながら、エステサロンの運営についてもこれまでの概念にとらわれず、新しい視点で何かできないだろうかと常に考えている女性。
女性が自分を諦めず、もっと自分の人生を豊かな視点で選べるよう美容面からサポートをする篠原さんにその思いをインタビューしました。
大好きなエステティシャンの仕事を、もっと純粋に楽しむために始めたこと。
ー今はどんな仕事をしていますか?
表参道にある完全予約制のエステサロンを経営しています。小さなサロンですが、いらした女性の皆様が温かい気持ちになってもらえる空間を目指し、エステティシャンとしてお客様一人ひとりに施術をしています。
アーユルヴェーダやインドの伝承医学をベースにしていますが、他にも効果が高いと思ったものは導入し、オリジナルのメソッドで痩身や美肌を得意としています。
サロンサービスの他には、講師としてエステティシャン向けに技術指導に当たったり、経営に悩むサロン様向けにサロン運営のためのコンサルの仕事もしています。
ーこれまでずっとエステの仕事を?
はい。私は高校を卒業して以来、エステ業界で働いてきました。自分のできる限り最高の施術をし、お客様と身体の変化を一緒に感じ喜び合うことが何より楽しくて、エステティシャンは本当に大好きな仕事なんです。
ですが、長くエステの業界で働く中で売上げにコミットしなければならない時代もありました。独立後も色々なスタイルでサロン運営をする中で、私はやはり、売上よりも本来の想いである「お客様をキレイにしたい」ということを第一に考えようと決め、現在は必要としてくれるお客様に必要なサービスだけを提供しています。
ー経営者として心配になることはないですか??
そうですね、確かにサロンを運営していくには、安定した収益が必要です。どうしたら自分にもお客様にも負担を掛けず、理想のサービスができるのか考えてきました。
そうしているうちに、長年サロン運営をしてきた経験から、縁あって技術を人に教ることが増えてきたので、技術指導やコンサルなど、これまで培った技術や知識を別の場所に提供することで、サロンだけに収益を頼らなくてもいい環境を作ることができました。
そうして今ここは、私自身も大切なお客様を美しくすることだけを考えられる最高の空間となりました。型にはめこんだコースメニューは作らず、いらしたお客様の身体の状態を見て、理想のスタイルになるまでをプランニングし、その方だけのオリジナルのコースを提案します。
そんなサロンスタイルに納得してくだされば、じっくりお話を伺い、効果が出始めるとともに、通う回数が徐々に減っていくようにプランニングさせて頂いています。ジムで言えばパーソナルトレーナーのような存在が理想だなと思っています。
エステティシャンになることだけを。
ーエステティシャンになろうと思ったのはなぜですか?
中学生の頃、私、太っていたんです!肌も全然綺麗じゃなくて、容姿にコンプレックスを感じて悩んでいました。そんな時、親類にエスティシャンの方がいるのを知って「私もなりたい!」って思ったんです。コンプレックスを解消できるし、施術者側も美しくいられるその存在に憧れました。エステティシャンになること以外は考えたこともなかったんです。
高校生になって進路を考えた時、エステティシャンになることに迷いはなかったのですが、国家資格が不要な職業に就くのなら、何より経験が大事だと感じていました。専門学校に行くのは時間もお金も勿体無いような気がして、すぐにでも雇ってくれるサロンを探し始めました。
300社以上問い合わせをし続け、ほとんどの企業が大卒・専門学校卒しか採用しなという中、一社だけ話を聞いてくれることになったんです。当時、私は関東に住んでいましたが、「明日福岡に面接に来れますか?」の問いかけに「行きます!」と即答し、晴れて採用。一年の勉強期間を会社で設けてもらい、エステティシャンとしての経験を積み、働きながら資格を取得しました。